導入:「方程式って、急に難しくなったように感じませんか?」
中学校で「方程式」が出てくると、多くの生徒がこう感じます:
- 見たことない形でよくわからない
- 小学校とはまるで違う内容に思える
- 記号も変わったし、xやyが出てきて混乱…
でも実は、「方程式ってまったくの新しい概念ではない」と気づかせてあげることができます。
むしろ、小学生のころから無意識にやってきたことの延長なんです。
「方程式」という言葉の意味を改めて確認しよう
「方程式」という言葉を分解して考えると、
- 方:方法、決まったやり方
- 程:式や程度を表す
- 式:計算式そのもの
つまり、「決まった手順で解くための式」という意味になります。
名前が難しそうなだけで、やっていることは計算と変わりません。
小学生の式は「たまたま左辺が同じだっただけ」
小学校で扱ってきた式を思い出してください:
- 5 + 4 = 9
- 6 − 2 = 4
どれも、左側に計算式・右側に答という形式ばかりでしたよね。
でも、たとえば「4 + 5 = a」と書いたらどうでしょう?
これはもう、立派な方程式です。
「a」の中身が何かを求めるわけですから、
中学で習う「x + 5 = 9」や「2x − 1 = 7」と、構造は変わりません。
よくある誤解:「方程式は“まったく新しいもの”」
生徒は「=の左に文字があるだけ」で戸惑います。
でも実際には、小学生のときに「 9 ー □ = 3 」という式も使っていたはずです。
「答が右にあるか左にあるか」だけの違いで、本質的には同じです。
方程式は、「今までとまったく別の新しいもの」ではなく、
「求めたいものに名前がついただけ」
という捉え方をさせることが重要です。
教えるときのコツ:「4+5=aと思えば納得しやすい」
私が生徒に伝える言い方のひとつはこれです:
「小学校のとき、ずっと『4+5=9』しかやってなかったでしょ?
でもそれって実は『4+5=a』という方程式だったと考えれば、
今やってる『x+5=9』も、構造は同じだよ。」
こう話すと、多くの生徒が「なんだ、それならやったことある」とホッとします。
ポイントは、「違い」ではなく「つながり」に気づかせることです。
まとめと次回予告:方程式は“初めて”じゃないと気づかせる
中学生にとって、方程式は見た目が変わったように映ります。
でも、実は小学生の頃から同じことをずっとやっていたのです。
「求めたいものに名前がついた」だけと伝えることで、余計な苦手意識を減らしていけます。
次回は:「加減法」ってどういう操作?
いよいよ連立方程式の解き方に入っていきます。
まずは「式を足したり引いたりして文字を消す」という加減法から解説します。
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