目次
導入
文章題の中には、「お金が足りなかった」「あと少しで買えた」など、不足や超過を表す表現が出てきます。
こうした問題でも、文章の順番通りに“言葉→記号”へ変換する練習をすれば、自然に式が立てられます。
この記事では、その「順番通りの読みかえ」を重視した指導法を紹介します。
例題①:「〜では足りなかった」パターン
● 問題
「1個x円のゲームを3個買おうとしたが、900円では300円足りなかった。x を求めなさい。」
● ステップ①:文の順番通りに“式っぽい文”に言いかえる
「代金(3x)は900円より300円多い」
→ 「3x=900+300」
● ステップ②:式にする
3x = 900+300
3x = 1200
x = 1200 ÷ 3
x = 400
● 答え:1個400円
例題②:「あと◯円あれば買えた」パターン
● 問題
「お金をx円持っていて、1500円のバッグを買いたかったが、200円足りなかった。x を求めなさい。」
● ステップ①:文の順番通りに“式っぽい文”に言いかえる
「所持金(x円)はバッグの値段より200円安い」
→ 「x=1500−200」
● ステップ②:式にする
x = 1500−200
x = 1300
● 答え:1300円持っていた
指導ポイント①:「式の順番」も“言葉どおり”に合わせると伝わりやすい
- 「〜より◯円高い(安い)」→ 左辺に“主語”を置いて式をつくる練習
- 無理に逆算させるより、「文章をそのまま式に写す」方が、ミスが圧倒的に減る
指導ポイント②:「式っぽい日本語に読みかえる」練習を挟む
- たとえば「あと200円あれば買えた」→「今の金額はバッグの値段より200円少ない」など
- この「文を言いかえさせる」習慣が、生徒の数式読解力を育てる鍵になる
まとめ
- 「〜では足りなかった」「あと◯円あれば」などの文は、“〜は〜より◯◯”の構文に読みかえると式にしやすい
- 日本語の順番に合わせて「左辺=右辺」の形にすると、式の意味が明確になる
- 読みかえの練習を重ねれば、計算以前に文章の意味がわかるようになる
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