【導入】
100円玉を3枚持っているところに、さらに2枚もらいました。合計何円でしょう?
もちろん、5枚で500円ですね。
このとき、「まず枚数を合計してからかける」のと、「もともと持っていた分と、もらった分をそれぞれ計算して足す」のとでは、計算の順番は違っても答えは同じになります。
この考え方こそが、分配法則と呼ばれるルールです。
数学の基本中の基本ですが、感覚的に理解しておくと計算がグンと楽になります。
【分配法則とは?】
数学の式では、こう書かれます。a×(b+c)=a×b+a×c
「1つの数を、足し算のかたまりにまとめて掛けても、バラバラに掛けて足しても同じになるよ」という意味です。
この式、最初は意味がわかりにくくても、日常の例で考えると一気にイメージが湧きます。
【100円玉のたとえでイメージしよう】
あなたが今、100円玉を3枚持っています。
そこに2枚追加でもらいました。
- 合計の枚数は「3+2=5枚」
- 1枚が100円なので、5枚 × 100円 = 500円
これは数式にするとこうなります:(3+2)×100=500
でも、こういう考え方もできます。
- もともとの3枚:3 × 100 = 300円
- もらった2枚:2 × 100 = 200円
- 合計:300 + 200 = 500円
つまり、(3+2)×100=3×100+2×100
という形。これがまさに分配法則です。
【なぜこの考えが大事なの?】
分配法則は、算数でも中学数学でも、そして高校数学でもずっと使い続ける超重要ルールです。
たとえば中学で学ぶ文字式の展開では:x(a+b)=ax+bx
という形でバリバリ使いますし、因数分解や方程式の変形でも登場します。
だからこそ、小学生のうちに「100円玉を使った感覚」で分配法則を理解しておくと、その後が本当に楽になります。
【よくある間違いと注意点】
分配法則でよくある誤解は、「すべての掛け算にこのルールが使える」と思い込むことです。
たとえば:a+b×c
これは分配法則ではなく、掛け算の方を先に計算するルール(乗法優先)が適用されます。
また、分配法則を使うには「かけ算が、かっこの前にある」ことが条件です。
【まとめ】
- 分配法則とは、「まとめて掛ける」のと「バラして掛ける」のが同じ結果になるルール
- 式でいうと、a(b + c) = ab + ac
- 日常の「お金」や「ものの配り方」で考えると、直感的に理解しやすい
- 中学以降も必ず使うので、今のうちに“感覚”で身につけておくと超ラク!
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