はじめに:「式を求めなさい」で手が止まる理由
一次関数の応用問題に入ると、多くの生徒がこうなります。
「問題文は読めるけど、式が立てられない…」
「そもそも何を求められてるのか分からない…」
これは数学の力というより、「何をゴールにするか」が見えていない状態です。
そこでまず意識させたいのが、**「y = ax + b」という“型”を最初に書くこと」**です。
ポイント①:まず「y = ax + b」と書くのが基本姿勢
どんな一次関数の問題でも、スタートはここから。
「とりあえず y = ax + b って書いてみよう!」
この一行だけで、頭の中が整理されます。
- 今からaとbを求めるんだな
- 与えられているのは点か、グラフか、変化量か?
「y = ax + b」という“型”を書くことが、問題の“ゴールのかたち”をはっきりさせる一手になります。
ポイント②:「aがわかる?bがわかる?」の判断をする
次にやるのは、
「aとbのうち、今わかってるのはどっち?」
という整理です。
- aがわかれば → 傾きが決まる
- bがわかれば → y軸との接点が決まる
たとえば…
- 「変化の割合が2、原点を通る」→ a=2, b=0 → y=2x
- 「点(3, 5)を通る、a=2」→ x=3, y=5 を代入してbを求める
というように、a・bのどちらを探しているのかを常に意識させましょう。
ポイント③:「点を代入する」=「通ることの意味」
一次関数の式において、
「この点を通る」=「xとyを代入すると式が成り立つ」 ということです。
これは以下のように伝えられます:
- (3, 5) を通る → x=3, y=5 を y = ax + b に代入
→ 5 = 3a + b という式ができる
これで **“点が1つあれば1つ式ができる”**という原理が自然に理解できます。
まとめ:「まずは型を書く」ことで思考が始まる
一次関数の式を求める問題では、
最初に「y = ax + b」と書くことで、“ゴールのかたち”がはっきりします。
そこから a と b をどうやって求めるかを判断することで、自分で考えて前に進める思考回路が育っていきます。
コメント