はじめに:この「x」ってなんなの?
生徒に関数を教え始めると、よくこんな質問が飛んできます。
「先生、この x って何ですか?なんで文字が出てくるんですか?」
ここでつまずいてしまう子は少なくありません。「x や y が何か分からないまま、なんとなく式を使っている」状態では、比例も反比例も、ただの暗号のように見えてしまいます。
そこでまずこの記事では、「関数に出てくる文字とは何か?」を明確にし、関数の最も基本的なイメージをつかませる考え方を共有します。
ポイント①:文字は“まだ決まってない数”の入れ物
関数に出てくる「x」や「y」は、**“数字を入れるための空の箱”**のようなものです。
- xは「何を入れるか、あとから決める箱」
- yは「xに数字を入れて出てくる結果の箱」
例えば次のような式があったとします:
y = 3x
この式は、**「xに何か数字を入れたら、3倍してyが決まる」**という意味です。
つまり、「関数とは“数字を入れると結果が出る計算装置”」のようなものなんです。
ポイント②:数字を1つ入れれば、結果が1つ出てくる
関数では、xに数字を1つ入れれば、それに対応するyが必ず1つだけ決まります。
たとえば、y=3x のとき:
xの値 | yの値(=3x) |
---|---|
1 | 3 |
2 | 6 |
3 | 9 |
こうやって「数字を入れると結果が出る」ことを何度も体験させると、xやyに意味を持たせやすくなります。
ポイント③:「変化のルール」を見るために文字を使う
関数の目的は、「たくさんの計算をいちいちしなくても、変化のルールを式でまとめてしまうこと」です。
たとえば:
- 1個100円のリンゴを買ったときの代金 → 「代金=100×個数」
- 同じルールなら、5個でも10個でも計算できる
このように、関数(xやyを使った式)は**「まだ決まっていない数字を使って、先にルールを作っておく」**ということなのです。
まとめ:関数の文字は「計算のための準備道具」
xやyは、ただの記号ではありません。
**「あとから数字を入れて、いろんな場合に対応できるようにするための準備」**なのです。
この段階でしっかりと「文字は入れ物」「関数は計算装置」として理解できていれば、比例・反比例、一次関数と、どんな式にもスムーズに入っていくことができます。
コメント