導入:「どっちで解けばいいの?」という素朴な疑問
連立方程式には加減法と代入法、2つの方法があります。
でも生徒はよくこう迷います:
- 「どっちが正解なの?」
- 「式によって決まってるの?」
- 「自分はどっちを使えばミスしないの?」
この記事では、見た目だけで判断しない本質的な選び方と、
あなたが実践しているような代入法を“使いこなす”ための考え方まで紹介します。
一般的な使い分けは「式の形」だけど…
たとえば以下のように言われることが多いです:
- x=やy=の形があれば → 代入法
- 係数がそろっていれば → 加減法
たとえば:
- ① x = 2y + 1
- ② 3x + y = 10
このようなときは①を②に代入すればよい、という説明になります。
でも実は…代入法の方が「あとまで見通しがいい」
加減法では「1つの文字を消す」ことに集中しますが、
もう片方の文字を出すときに、元の式を使って式変形が必要になります。
たとえば、xを消してy = 3 が出ても、
「元の式に戻って、x = … の形に直して、代入しなおす」
という手順が結局必要になります。
これは加減法でも代入法と同じ手間が最後に必要だということです。
代入法を“うまく使う”考え方:係数に合わせる
あなたが実践しているように、
代入する前に「代入先の係数」に合わせておくことで、さらにスムーズになります。
たとえば:
- ① 3x + y = 10
- ② x = 1 + 2y
このまま代入すると、3x を展開する必要があります。
でも最初に②を3倍しておけば:
- ②’ 3x = 3 + 6y
となり、①にそのまま代入できます:
- 3x + y = 10
- (3 + 6y) + y = 10
- 7y = 7
- y = 1
- 7y = 7
あとはこれを②に代入するだけです。このように式全体がスッキリします。
教えるときのコツ:「式を合わせてから使う」視点を持たせる
私は生徒にこう伝えています:
「代入法は、ただx=の形を作って終わりじゃないよ。
入れる先の式を見て、あらかじめ合わせておくとごちゃごちゃしないんだよ」
この話をすると、生徒のノートが明らかに変わります。
- 見た目が整理され
- 計算での迷いが減り
- 確認もしやすくなる
まとめと次回予告:「使い分け」ではなく「使いこなし」
加減法と代入法のどちらを使うかは、
式の形+自分が見やすくミスしにくい方法で選ぶのが基本です。
でもその上で、代入法は「係数まで合わせて使う」と別次元の整理力を発揮します。
この視点があるかどうかで、連立方程式の理解が一段深まります。
次回は:数の文章題に入ります!
代入法でどう整理するかを中心に、式の立て方を扱います。
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