導入
中学生で必ず習う「解の公式」。
x² + ax + b = 0
の形の方程式を、いちいち因数分解せずに一発で解ける便利な公式です。
でも、これを丸暗記して終わりではもったいない!
実は、解の公式は「平方完成」という考え方から自然に導けるんです。
この記事では、**「どんな考え方でこの式を作っていくのか」**を、
“思考の順番”ごと丁寧に見ていきます。
この記事は中学数学「方程式」シリーズの一部です。
👉 中1〜中3の流れを体系的に整理したまとめ記事はこちら
中学数学「方程式」まとめ|中1〜中3を体系的に整理
結論:解の公式
ax² + bx + c = 0 の解は
x = {−b ± √(b² − 4ac)} ÷ 2a
では、なぜこの形になるのでしょうか。
平方完成から導いてみよう
ステップ1:形をそろえる(aで割る)
ax² + bx + c = 0
→ a で割ることで、平方完成しやすくします。
x² + (b/a)x + (c/a) = 0
ステップ2:「左辺を平方の形にしたい」と考える
ここからが本題です。
まず「x² + (b/a)x」を見て、こう考えます。
「これを (x + □)² の形にしたい。」
平方にするには、
(x + b/2a)² を展開すると
x² + (b/a)x + (b² / 4a²)
になるので、(b/2a)² を足せば平方になると気づきます。
ステップ3:でも、足したらバランスが崩れる!
ここが“考え方の順番”で大事なところ。
「左辺に (b/2a)² を足したら、右辺にも同じものを足さなきゃいけないな」
つまり、最初に「平方にしたい」と考えて → そのために“右辺にも足す”という発想が出てくるんです。
ステップ4:式に反映させる(書く順番)
考えた通りに書いてみます。
x² + (b/a)x + (b/2a)² = −(c/a) + (b/2a)²
✅ 考える順番:
「左辺を平方にしたい」→「右辺にも足す必要がある」📝 書く順番:
「左辺に足す」→「右辺にも足す」
この“考える順番と書く順番のズレ”が、平方完成の理解の核心です。
ステップ5:左辺をまとめて平方にする
(x + b/2a)² = −(c/a) + (b/2a)²
ステップ6:右辺を整理する
(x + b/2a)² = (b² − 4ac) ÷ 4a²
ステップ7:平方根をとる
x + b/2a = ±√(b² − 4ac) ÷ 2a
ステップ8:移項して完成!
x = {−b ± √(b² − 4ac)} ÷ 2a
→ これが「解の公式」です。
よくある間違い
- √の中を b² − 4ac ではなくしてしまう
- ±(プラスマイナス)を書き忘れる
- 分母の 2a を忘れる
まとめ
- 「平方完成」は、**左辺を平方にしたい!**という発想から始まる
- 「そのために右辺にも同じ数を足す」というのが“考え方の順番”
- こうして導かれたのが「解の公式」
丸暗記ではなく、“どうしてそうなるか”を考えながら使おう!
この記事は中学数学「方程式」シリーズの一部です。
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