【導入】
中学で「負の数」を習い始めると、
「−(−3)って何?」「かっこが多すぎてよくわからない」
という混乱がよく起こります。
でも、それは**“かっこ”の新しい使い方を知らないだけ**なんです。
この記事では、負の数を学ぶときに**最初に理解しておくとラクになる「かっこの本当の役割」**について、わかりやすく解説します。
【そもそも、かっこは何のためにある?】
小学校までは、かっこといえば、(3+2)×4
のように、「計算の順番を変える」ために使うものでしたよね。
でも中学に入って負の数が出てくると、かっこにはもう一つの役割が生まれます。
【−(−3)のかっこは、計算するためじゃない?】
まず、こんな式を考えてみましょう。−(−3)
これ、よく「かっこの中を計算しよう」として、
「−3 をそのまま出して −(−3)=−3」なんて間違える人がいます。
でも正しくは:−(−3)=+3
なぜかというと、これは本当はこういう意味なんです:−1×(−3)−1×(−3)
つまり、マイナス1倍という掛け算の姿をしているんですね。
【新しい“かっこ”の本当の役割:記号の連続を防ぐため】
ここが一番大事なポイントです。
この「−(−3)」のかっこは、実は**“かならず中を先に計算しろ”という指示ではない**んです。
ではなぜあるのか?
それは、「−−3」のように記号が連続すると読みづらいからです。
つまり、これは“視覚的なプロテクト”=見やすく整理するためのかっこなんです。
例:
- 「−−3」→ どっちの−がどれにかかってるのか混乱する
- 「−(−3)」→ マイナス3という一つのまとまりが見える
【負の数に出てくる“新しいかっこ”の感覚をまとめると】
- 「−(a)」は「−1 × a」
- 「−(a + b)」は「−1 × (a + b)」
そしてその多くは、「見た目を整えるためのかっこ」でもある、ということです。
【数学では“×”や“1”をどんどん省略していく】
数学の世界では、次のような省略が普通に行われます。
- 「1 × a」→「a」
- 「−1 × a」→「−a」
- 「2 × (a + b)」→「2(a + b)」
だから、−(−3)
も、実は−1×(−3)
という意味で、
そこに記号の連続を防ぐプロテクトとしてかっこが入っていると考えると、すっと理解できます。
【よくある誤解と注意点】
❌ かっこがある=まず中を計算しなきゃ
→ 小学校まではそれで合ってましたが、中学以降は見やすくするためのかっこもあるということを忘れないでください。
【まとめ】
- 中学の「−(−3)」に出てくるかっこは、計算順序の指示ではない
- 本質は「−1 × (−3)」
- かっこは記号の連続を避けるための視覚的プロテクト
- 数学では「×」「1」などをどんどん省略していくので、“隠れた意味”を意識することが大事
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