はじめに:「aって何者?」で止まる生徒たち
比例の式
y = ax
この「a」について、「なんとなく式に出てくるけど意味はよく分かってない」という生徒は非常に多いです。
特に困るのは、「比例定数って暗記すればOK」と思っているケース。
しかし実際は、この「a」が比例のグラフ全体の性格を決めていることを理解させるのが、教える側の役目です。
ポイント①:「1増やしたときにどれだけ増えるか」がaの正体
比例定数aの本質は、xが1増えたときに、yがどれだけ増えるかです。
たとえば:
y = 3x
xが1→2→3と増えていくと、yは3→6→9になります。
このとき、xが1増えるごとにyが「3ずつ増える」わけです。
つまり、「比例定数a=増えるスピード(ペース)」と捉えるのが大事なポイントです。
ポイント②:「傾き」としてグラフで見せると一発で伝わる
グラフを描くときに次のように教えると、生徒の理解が一気に進みます。
- 「右に1進んだら、上にaだけ進む」
→ これが**傾き**という考え方 - 例:y=2x なら、右に1、上に2 → 線の傾きが2
グラフを「坂道」としてたとえると、aが大きいほど急な坂、小さいとゆるやかな坂として実感できます。
📌 比例の段階でこの「a=傾き」を感覚として押さえておくと、一次関数のときに「そういえば比例のときにやった!」とつながります。
ポイント③:aの符号にも注目させる
また、aが正か負かでグラフの向きが変わることにも少しふれておくとベストです。
- a>0:右上がりの直線(上に登っていく坂)
- a<0:右下がりの直線(下り坂)
このとき、変化量(右に1進んだときの上下の量)を視覚的に意識させておくと、「aが性格を決める」という意識が芽生えます。
まとめ:比例定数aは「増えるペース=グラフの傾き」
比例定数aとは、ただの“定数”ではありません。
変化のスピードやグラフの傾きを決める、比例の“性格”そのものです。
この段階で「a=傾き」の感覚を入れておくことで、比例だけでなく、後の一次関数にもスムーズにつなげることができます。
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