はじめに:「比例のグラフは直線です」と教える前に
数学の授業ではよくこう言われます。
「比例のグラフは原点を通る直線です」
これは事実ですが、なぜ直線になるのかを納得させずに教えてしまうと、ただの暗記に終わってしまいます。
この記事では、「比例=直線」という性質をグラフで納得させるための考え方をお伝えします。
ポイント①:どんな値でも「同じペース」で増えているから
比例の式
y = ax
は、xが1増えるごとにyが常にaずつ増えます。
たとえば、y=2xなら:
x | y |
---|---|
0 | 0 |
1 | 2 |
2 | 4 |
3 | 6 |
→ xが1増えるごとに、yが2ずつ増えている
この**「増え方がずっと同じ」=変化が一定**という特徴こそが、直線になる理由です。
ポイント②:点をプロットしてつないでみよう
実際に点を打っていくと、生徒自身が「これ直線になってる!」と気づくことができます。
例:y=3x のとき
- x=0 → y=0
- x=1 → y=3
- x=2 → y=6
- x=3 → y=9
→ この4点をグラフに書くと、ピッタリ一直線になります。
ここで伝えたいのは、「たまたまじゃない」「どんな値でも同じスピードで増えるから、直線になる」ということです。
ポイント③:「傾き一定」だからこそまっすぐ
比例のグラフが直線になるのは、**xが1増えたときのyの増加量が常に同じ(=傾きが一定)**だからです。
- y=2xなら、どこを見ても右に1、上に2の斜めの線
- y=5xなら、もっと急な斜めの線(右に1、上に5)
生徒には、「線の角度が違っても、まっすぐなら傾きは一定なんだよ」と伝えることで、直線の意味を深く理解できます。
まとめ:「直線=変化が安定している」証拠
比例のグラフが直線になるのは、ずっと同じスピードで増える関係(傾きが一定)だからです。
そして、グラフを見れば、比例の性格が“目に見える形”として表れていることがわかります。
グラフはただの飾りではありません。
**「数字の関係を目で見るための地図」**なのです。
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