導入:「引き算のときに符号がごちゃごちゃする…」
加減法で生徒がつまずくポイントの1つに、**「符号の処理」**があります。
とくに引き算の場面で、
- −(マイナス)のつけ忘れ
- 引いたはずなのに同じ符号で計算している
- ノートが見づらくて自分でもわからなくなる
こういったミスが多く見られます。
その背景にあるのが、多くの生徒が習っている「式を上下に並べて筆算のように計算する方法」です。
多くの生徒は「筆算」で式を処理している
学校や塾では、次のように式を縦に並べて計算させることが一般的です:
x + y = 10
− x − y = 2
-------------
? = ?
ここで「引き算するから符号を逆にして…」と、
無理やり符号を書き換えて計算する生徒が大多数です。
でもこの方法、式がごちゃごちゃして非常に見にくくなり、間違いも増えます。
実際には「筆算」である必要はない
加減法の目的は、式を足したり引いたりして「文字を消す」こと。
そのために、
- 式を横に並べて考える
- 括弧をつけて明示する
- 書き換えの意味を意識させる
こういった方法のほうが、ずっと見やすくてミスも減ります。
たとえば:
(x + y) − (x − y)
= x + y − x + y
= 2y
このように書けば、符号の変化が明確で、視覚的にも混乱しません。
教えるときのコツ:「筆算は“手段の1つ”にすぎない」と伝える
私は指導の際にこう伝えています:
「上下に書く筆算でやってもいいけど、それでミスが増えるならやり方を変えたほうがいい」
「“筆算じゃないとダメ”ってルールはないよ。目的は“1文字にすること”だから」
こう言うだけで、安心して横書きや別の書き方に切り替える生徒が出てきます。
自分にとって見やすい方法を選ばせることが大切です。
まとめと次回予告:「筆算にこだわらないだけで、ミスは減る」
加減法での符号ミスは、上下に式を並べて無理やり符号を処理する方法が根本の原因になっていることが多いです。
大切なのは「式を整理して、見やすく書く」こと。
生徒には「筆算じゃなくていい」と伝えてあげてください。
次回は:「代入法ってなに?なぜx=に直すのか?」
もう一つの解法「代入法」の意味と考え方を、丁寧に説明していきます。
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