導入:「代入って言われても、ピンとこない…」
加減法の次に習うのが「代入法」。
でも生徒からはよくこんな声が上がります:
- 「なんでx=の形にするの?」
- 「どっちの式をどう使うのかわかりづらい」
- 「名前からして難しそう」
こういった声に応えるには、まず**「代入法」という言葉の意味から伝えること**と、
ノートの整理のしかたを具体的に教えることが大切です。
代入法の意味:「代」と「入」はどういうこと?
漢字を分解すると、代入法はこうなります:
- 「代」= 入れかえる、置きかえる(例:交代・代理)
- 「入」= 中に入れる
つまり「代入」とは、「あるものの代わりに、別のもの(式)を入れること」。
この時点で、「xの代わりに式を入れる操作」だとすぐ理解できます。
「x=の形にして整理する」ことで頭がスッキリする
代入法のポイントは、まずx=の形に直して、それをもう片方の式に入れるという流れです。
これは、式の中にある文字を1種類だけに整理するという意味でもあります。
たとえば次のような問題を考えます:
① x = 2y + 1
② x + y = 10
①を②に代入 → (2y + 1) + y = 10
3y + 1 = 10
y = 3求めたyを①に代入 → x = 2×3 + 1
x
= 7
番号と代入先が明確にされていれば、ミスも減り、ノートも圧倒的に見やすくなります。
生徒には「整理のための技」として伝える
私は生徒にこう言います:
「代入法って、2種類の文字がある式を“1種類だけ”に整理するための方法だよ。
1種類に整理してから計算して、出てきた答をもとに、もう1つの文字も出す。」
このように、「何のためにやってるのか」を常に言葉で整理させるのがコツです。
加減法との違い:代入法はノート整理がしやすい
加減法は2つの式を同時に処理するため、上下に書いて計算するスタイルが多くなります。
でも代入法は:
- 「どの式を整理して、どこに代入したか」がはっきり書ける
- 整理→代入→戻す、という一直線の流れ
- 式の見通しが良く、ノートがとてもすっきりする
という特徴があり、整理が得意な子ほど代入法を好む傾向があります。
まとめと次回予告:「x=にして式を整理する」が代入法の核
代入法は、「x=の形を作って、それを別の式に入れる」だけ。
でもそこには、「文字を1種類にして考える」という深い整理の技術があります。
番号を振って、代入先を明記して、順を追って書くだけで、
生徒の理解は驚くほど安定します。
次回は:「加減法と代入法、どっちを使えばいいの?」
状況や生徒の特性に応じた使い分けの考え方を紹介します。
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