目次
導入
分配法則といえば、
a(b+c) = ab+ac
のような形を思い浮かべる人が多いでしょう。
でも、展開の単元に入ると突然こういう式が出てきます:
(a+b)(c+d) = ???
「どうすればいいの?」「なぜ4つの項になるの?」と戸惑う生徒も少なくありません。
この記事では、2項×2項のかけ算でなぜ4つの項が出るのかを、
分配法則の視点からていねいに解説します。
結論
(a+b)(c+d)のような形は、
すべての項を1回ずつかけることで、4つの積が生まれます。
展開:分配法則を2段階で使う
(a+b)(c+d)を分配法則で展開するときに、
まず +b の部分を隠してみるといつもの a(c+d) の形が見えてくると思います。
次に a の部分を隠して同様に +b(c+d) の形を考えると(符号まで含めるのがポイント)
(a+b)(c+d) = a(c+d) + b(c+d)
ここでさらに分配法則を使うと:
a(c+d) = ac+ad
b(c+d) = bc+bd
すべてまとめると:
(a+b)(c+d) = ac+ad+bc+bd
4つの項が出てきました。
よくある間違い
- 2つしかかけない人:a×c と b×d だけで終わってしまう
- 前の式の順にだけかける人:a×c、b×d だけで終わる(交差を見落とす)
- 順番がバラバラでごちゃごちゃになる人:ac+bd+ad+bc のように書く(意味は同じでも見づらい)
→ 「すべての組み合わせを1回ずつ書く」ことが大事
練習問題
問題1:(a−2)(b+4) を展開せよ
(a−2)(b+4) = a(b+4)−2(b+4)
= ab+4a−2b−8
問題2:(x+3)(x+5) を展開せよ
(x+3)(x+5) = x(x+5)+3(x+5)
= x²+5x+3x+15
= x²+8x+15 ←同類項はまとめる
まとめ
- 2項×2項のかけ算は、分配法則を2段階使うと理解できる
- 「すべての組み合わせを1回ずつかける」と自然に4つの項になる
- 項の順番にも注意して、見やすく丁寧に書こう
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