目次
導入
方程式といえば「移項」と思いがちですが、最初に教えるべきなのは**「逆算の発想」**です。
特に x+3=8
のようなシンプルな式では、「移項」という言葉を使わなくても、生徒は自然に解けます。
この記事では、初期段階の方程式で“逆算”の意味をどう教えるかを紹介します。
「x に何をすると 8 になる?」と問いかける
● 教えるべき視点
x+3=8
は、
「x に 3 を足すと 8 になる」
という意味。
だから、**逆に「8 から 3 を引けば x が出る」**という考え方に導きます。
● 実際の式の書き方(=を縦にそろえる)
x+3 = 8
x = 8−3
x = 5
このように、「x を1人にする」ことを最終目標として、逆の操作を順にしていくと伝えましょう。
言葉で言わせて、自然に逆算へつなげる
● 理解させる流れ
- 「この式、どういう意味?」
→「x に 3 足すと 8」 - 「じゃあ、x を出すにはどうすればいい?」
→「8 から 3 引く」 - 「式にすると?」
→x=8−3
→x=5
✅ 教えるコツ
- 「移項」という言葉はこの段階ではまだ使わない
- 言葉で理解させてから式にする、という順序を守ると納得しやすい
よくある誤解:「逆算=暗算」ではない
● 注意すべきポイント
- 生徒によっては「逆算」と聞いて、頭の中で答えだけ出そうとする
- でも方程式では途中式を書くこと自体が重要
- なぜなら、あとで複雑な問題になると、式が解く手がかりにも、見直しの材料にもなるから
● 先生の言い方例
「今は簡単だけど、後で難しくなったときにこの書き方が絶対に役立つよ」
=の右だけ計算する書き方を自然に導入
● この2通りの書き方を比べる
【簡略型】
x+3 = 8
x = 8−3
x = 5
【厳密型】
x+3 = 8
x+3−3 = 8−3
x = 5
どちらも正しいですが、実際の指導では左辺を変えずに、右だけ計算するスタイルを使う学校が多いです。
● 教えるコツ
- 「x を1人にするために、反対の操作をした」と言えばOK
- わざわざ両辺に同じ数を足す/引くより、最短ルートで整理する感覚をもたせる
まとめ
- 最初の方程式は「逆算」の感覚を育てることが大切
- 「x に何をしたらこうなる?」→「じゃあ逆にどうすればいい?」と考えさせる
- 「移項」ではなく、意味に立ち返った逆算の考え方から教えるのが効果的
- = の位置も整えて、論理的で美しい式の書き方を習慣づけよう
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