導入
速さの文章題では、生徒が「速さ・時間・道のりの関係がごちゃごちゃする」と悩みがちです。
でも、代金の問題と同じく、**「1秒あたり◯m」×「何秒」=「進んだ距離(m)」**という「単位量 × 数量 = 合計」の形で読めば、とてもシンプルになります。
この記事では、速さの文章を“式っぽい文”に言いかえる方法と指導のコツを紹介します。
まずは「速さ×時間=道のり」の関係を確認
項目 | 単位の例 | 意味 |
---|---|---|
速さ | m/秒(メートル毎秒) | 1秒あたりの進む距離 |
時間 | 秒・分など | 継続時間 |
道のり | m(メートル) | 進んだ合計の距離 |
● つまり:速さ × 時間 = 道のり
→ 「単位量 × 数量 = 合計」の形がそのまま使えます。
例題:速さの文章題
● 問題
「ある人が毎秒1.2mの速さで x 秒間歩いたところ、合計で66m進んでいた。歩いた時間を求めなさい。」
ステップ①:「式っぽい文」に言いかえる
「1秒あたり1.2m × x秒 = 66m」
ステップ②:式を立てる
速さ :1.2 m/秒
時間 :x 秒
道のり:66 m
1.2x = 66
ステップ③:方程式を解く
1.2x = 66
x = 66 ÷ 1.2
x = 55
● 答え:55秒
指導ポイント①:単位に注目させるとミスが減る
- 「1秒あたり」「1個あたり」の視点が入ると、どんな問題も“掛け算”で整理できる
- 速さの文章題も代金の文章題も**「単位量 × 数量 = 合計」の共通パターン**であることを強調すると、指導が通りやすくなる
指導ポイント②:日本語の順番通りに式を作る
「毎秒1.2mで、x秒歩いたら、66m進んだ」
→ 「1.2 × x = 66」
文章の流れと式の流れが一致するように教えることで、生徒の負担がぐっと減ります。
◆ 補足:「み・は・じ」でうまくいっているならOKです
学校では「み・は・じ」の図(道のり・速さ・時間)を使って公式を覚える方法がよく使われます。
このやり方で正しく式が立てられているなら、そのままで問題ありません。
ただし、生徒によっては「どこに何を入れればいいか」はわかっても、式の意味や文章との対応が見えていないこともあります。
その場合はこの記事のように、
「1秒あたり × 何秒 = 進んだ距離」
という意味をもとに読みかえる練習を取り入れてみると、文章題全体への理解が深まります。
まとめ
- 速さの文章題も「単位量 × 数量 = 合計」の形で考えるとスムーズ
- 「1秒あたり」「1冊あたり」といった言い回しは、必ず“かけ算の形”にできると意識させよう
- 式は日本語の順番どおりでOK。文章を“式っぽい文”に頭の中で変換する力をつけるのが近道
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