導入
方程式を習い始めた生徒にとって、「移項」は大きなハードルです。
特に、「なぜ符号が変わるの?」という疑問に明確に答えられないと混乱が残ります。
この記事では、「移項」の意味と仕組みを、“逆算”の延長として自然に教える方法を紹介します。
「移項」は“反対の操作”でバランスを取ること
● 基本の例
x−4 = 11
x = 11+4
x = 15
ここで −4 を右に移すとき、**「+4 になる」**というルールだけ覚えさせても意味はありません。
大事なのは、「−4 を取り除くために、両辺に+4する」=逆の操作をしているという考え方です。
なぜ符号が変わるのか?を図で説明してもOK
● 言葉の例え:「=は天秤(てんびん)」
方程式はバランスのとれた天秤のようなもの。
片方から −4 を取り除いたら、もう片方にも同じことをしないとバランスが崩れる。
だから「−4 を消すために +4 を足した」と考えると、符号が変わる理由にも納得できます。
実際の手順と式の流れ
● 例題
x−4 = 11
x = 11+4
x = 15
これは「−4 を消すために+4した」という意味。
このとき「右辺にも+4した」と言ってもOKですが、
実際の式では左辺だけ変えて右をいじらない書き方が主流です。
移項のルールは「=をまたぐと符号が変わる」
● 教えるポイント
- 足し算は引き算に、引き算は足し算に変わる
- 正確には「+ を − に、− を + に」
- 「移すときは“反対の符号”になる」とシンプルに言ってOK
● もう1問
x+7 = 20
x = 20−7
x = 13
生徒が混乱しやすいポイントと対処法
● よくあるミス
- 移項しても符号を変えない
- 元の符号が何かあいまいになってしまう(特に引き算を見落とす)
● 対処法
- 必ず元の符号に○をつけて意識させる
- 「式を書く前に、頭の中で“反対の操作”をつぶやかせる」練習が効果的
例:「−4 を移すから、+4 になるね」と声に出させる
まとめ
- 移項は「逆の操作をして、x を1人にする」こと
- = のバランスを保つために、符号を反対にして移すと説明する
- ルールだけでなく、“なぜそうするのか”を意味から理解させることで、ミスが激減する
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