はじめに:「比例」ってどういう状態?
「比例している関係って何ですか?」
こう聞かれて、「y=ax っていうやつだよ」と答えてしまうのは避けたいところです。
なぜなら、**「比例=公式」ではなく「比例=関係の性質」**だからです。
まずは、「2倍になったら2倍になる」という感覚を通じて、比例の本質を見せることが大切です。
ポイント①:比例とは「倍々の関係」
比例とは、**「一方が2倍、3倍になると、他方も同じように2倍、3倍になる関係」**です。
たとえば:
- 1個100円のリンゴ
→ 2個なら200円、3個なら300円(=比例関係) - 1時間で60km進む車
→ 2時間なら120km、3時間なら180km(=比例関係)
この「倍にしたら倍になる」が成り立つかどうかが、比例かどうかを見分ける一番シンプルな考え方です。
ポイント②:表からも「2倍→2倍」をチェックする
具体的な数の変化を見せながら、「2倍→2倍」が成り立っているかを確認させると理解が深まります。
たとえば、次のような表:
x(時間) | y(進んだ距離) |
---|---|
1 | 60 |
2 | 120 |
3 | 180 |
→ xが2倍、3倍になったときに、yも同じ割合で増えている!
この確認作業が、比例という関係を数値から見抜く第一歩になります。
ポイント③:グラフでも「まっすぐ」が比例の証拠
比例の関係をグラフにすると、原点を通るまっすぐな直線になります。
- これは、xが増えるごとに、常に同じ割合(=一定の傾き)でyも増えているから
- あとから学ぶ「一次関数」や「傾き」とつなげるためにも、この感覚をしっかり押さえる
※比例の段階で「直線=傾き一定」「比例定数=傾き」という視点を入れておくと、後が楽になります。
まとめ:比例は「変化のバランスがずっと同じ」関係
比例しているかどうかは、「数字を2倍にしたとき、もう一方も2倍になるか?」で判断できます。
そしてその関係は、表でもグラフでも、見た目で確認することが可能です。
公式よりも先に、「この関係って、ずっと同じペースで増えてるな」という感覚を育てることが、比例理解の第一歩になります。
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