はじめに:「反比例ってどう反対なの?」
「比例はわかった。でも反比例って、何が“反”なの?」
こう聞かれたとき、「積が一定になる関係だよ」と説明してしまうと、生徒はますます混乱します。
公式ではなく、“変化の向きが反対”になる感覚から導入することが、反比例を理解させる第一歩です。
ポイント①:一方が大きくなると、もう一方は小さくなる関係
反比例とは、**「片方が2倍、3倍になると、もう片方は1/2、1/3になるような関係」**のこと。
たとえば:
- ある仕事をするのにかかる時間(y)と人数(x)
→ 人数を2倍にすると、かかる時間は半分になる(=反比例) - 車が一定の距離を走るとき、スピードが2倍になると、かかる時間は半分(=反比例)
このように、**「一方が増えると、もう一方が減る」**という“逆の変化”こそが、反比例の本質です。
ポイント②:「2倍→1/2」で関係を見抜く練習を
表や文章題から、反比例かどうかを見抜くには、「倍にしたとき、反対に減っているか?」を見る習慣が大切です。
x(人数) | y(時間) |
---|---|
1 | 12 |
2 | 6 |
3 | 4 |
4 | 3 |
→ xが2倍、3倍、4倍になると、yは1/2、1/3、1/4に!
このように、「変化の逆向き」があるかどうかを見せることが、反比例の導入には効果的です。
ポイント③:「積が一定」は“あとから確認”でOK
反比例の式は
y = a ÷ x
あるいは
xy = a
と書けますが、これはあくまで「確認用」。
最初から「積が一定になる」と覚えさせるのではなく、「逆向きの変化がある → 確かに積も同じだね」と納得させる流れが重要です。
📌 先に公式を覚えさせると、表の変化やグラフとのつながりが感じられなくなる危険があります。
まとめ:反比例は「変化の方向が逆になる」関係
反比例とは、一方が増えると、もう一方が減るという“逆向きの変化”が起きる関係。
その結果として、「積が一定」になるだけです。
「反比例=積が一定」とだけ覚えるのではなく、変化の向きから関係を理解することが本質だと伝えていきましょう。
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